京の特集No.8

京都の歴史をしのぶ路地裏散歩

かつてこの地に生きた人々、
存在した風景に想いを馳せながら、
触れる路地裏の魅力。
歩く速度が教えてくれる京都がきっとある。

京の路地裏めぐり

「京都のまちは一段と美しくなりましたね」。十数年ぶりに京都に来られたお客様から,そんなお褒めの言葉をいただく機会が増えたと、門川京都市長がよく言われます。2007年の新景観政策の効果が出始め、多くの町家が再生し、屋外広告物が減り、緑が増えたためです。街中の水辺も石垣になり、蛍が戻ってきた街もあります。「京のガイドライン」に沿った京都らしい建物も増えています。

バブル崩壊から早20年、絶頂期にあった繁栄を失った時代も京都は市民ぐるみで、その美しさを着々と磨きあげていました。最初は京町家再生でした。このマップで紹介する老舗が磨かれ、新しい町家の店が次々と生まれ、古めかしさの中に若い賑わいが輝く時代が続き、今は路地や水辺の小路とその周辺が美しく蘇りつつあります。町家同様、京の小路にも繊細な暮らしの伝統が息づき、古き良きものを大事にしながら、新たな創造を重ね続けている、今回のマップではそんな小路を紹介します。

伝統の中に光る若さといえばまず花街、華やかな舞妓さんも元気な現代女性、オフには京舞を離れてジャズなど異分野でも多様な才能を発揮する若手が増えました。また、京都随一の伝統産業の街・西陣では豪華な帯が飾られた織元の隣、古びた町家に若いアーティストが住みついた工房、ギャラリーが増えました。そして、高瀬川沿いの水辺・木屋町界隈にはお洒落なレストランに若者が集まっています。通りでは広告物が抑えられた落着いた町並みが整いつつあります。京都の街では幕末同様、今でも若い才能が古さの中で輝いています。

そんな輝きを探しに京の路地裏を歩くと、艶やかに輝くアートを感じる小さな店が見つかります。いつかは表通りに進出するだろう新鮮な若い彼ら・彼女らを見出す街中観光は京都の旅の定番になりました。京都の美しい景観は町家から始まり、路地裏に広がっています。すっかり磨き上げられた町並みの中で、魅力の品々や美味しい食事を楽しむ時間は、悠久の古都の長大な時の流れの中を旅するあなたにとって貴重な一時になるはずです。

宗田好史(京都府立大学)

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